leale
第1期 Day 3
石垣商店
株式会社leale — AI 活用 企業研修 第1期

Day 3:Claude で作る
自社だけの業務ツール

まず生成 AI の進化とこれまでのチャット型AIとの違いを理解し、Claude のアカウント作成・デスクトップ版セットアップから使い方までを知る。そのうえで"AIで処理するもの"と"アプリに任せるもの"を見極めて、
石垣商店オリジナルの業務ツールを完成させ、Cloudflare Pages で公開する。3日間の集大成となる 4 時間45分。

顧客
株式会社石垣商店
業種
銅・真鍮加工製造業
参加者
13名
日程
2026年 月 日
13:00-13:30ふりかえり
13:30-14:35AI進化/Claude入門
14:45-15:15AIとアプリ
15:15-17:05アプリ制作
17:15-17:45発表・まとめ
Opening 13:00 - 13:30 / 30分

1〜2日目のふりかえり
— "システムはこう育つ" を地図で確認

🎯 Day 3 のゴール

これまでの学びを整理し、Claude と AIエージェントを理解したうえで、"AIで処理するもの/アプリに任せるもの"を見極めて、自分専用の業務ツールを完成させる。

ふりかえりクイズ(5分)

1〜2日目の要点を確認しましょう。スマホかブラウザで答えてみてください。

Q1. 生成 AI を一言で言い表すと?
A. 完璧な計算機
B. 知識は膨大だが経験ゼロの優秀な新人
C. インターネット検索エンジン
D. ロボット工場
Q2. プロンプトで最も重要なことは?
A. できるだけ短く書く
B. 敬語を使う
C. 役割・背景・目的・形式を具体的に伝える
D. 英語で書く
Q3. 「スプレッドシート × GAS」の一番の強みは?
A. 世界一速い処理性能
B. データが見える形で残り、自社で保守・改修できる
C. 完全無人で経営判断までしてくれる
D. 専門のエンジニアがいないと触れない

1〜2日目のまとめ:システムはこう育つ(DXの段階)

業務のデジタル化(DX)は、いきなり大きなシステムを買うのではなく 手作業 → 数式 → GAS → GAS+画面(アプリ) と段階的に育てていくのが基本です。1〜2日目で触れた内容がこの地図のどこにいたかを確認し、「今日はその一番上を AI と一緒に体験する」とつなげます。

📦 システムは「3つの部品」でできている
① フロントエンド

見える画面
(ボタン・入力欄)

② バックエンド

裏で動く仕組み
(計算・処理)

③ データベース

情報を溜める箱
(記録・保管)

STEP
1
スプレッドシートで管理する

在庫表・顧客リスト・日報など。手で入力して、関数で集計するだけのシンプルな状態。画面・処理・データが全部ひとつのシートに同居。

STEP
2
数式で自動化を始める

SUM・IF だけでなく、別のシートからデータを引っ張る IMPORTRANGE、絞り込む QUERY 等を使うと、プログラミングなしで複数ファイル横断の処理ができる。

STEP
3
裏で小さい命令を動かす(GAS デビュー)

GAS(Google Apps Script)は、スプレッドシートに「裏で動く小さな命令」を追加できる機能。例:毎朝9時に在庫表をメール送信/ボタンを押すと自動で帳票を作る。画面は今までのスプレッドシートのまま、裏側だけ強くなる。← 2日目のデモ(見積書自動作成など)はここ。

STEP
4
Google フォームと連携する

画面は Google フォームに任せる。データはスプレッドシートに自動で溜まる。GAS で集計・通知をする。画面は Google の作った安定品 = エラー率ほぼゼロ。中小企業の業務システムの多くがここで十分。

STEP
5
自分専用の Web アプリを作る(GAS + HTML)
📍 今日のゴール

画面(HTML/CSS/JS)も自分で作る。AI に書かせるから書ける。データの保存先はスプレッドシートでも、ブラウザのメモでも OK。今日は Claude と一緒に「材料計算チェッカー」をこの形で作ります。

💡 大事なポイント

「手作業 → 数式 → GAS → GAS+画面」。AI は、この各段を"作る手間"を一気に縮めてくれる存在。今日は一番上の STEP 5 を AI と一緒に体験します。

参加者には「全部覚えなくていい」「今日は STEP 5 を AI と一緒に体験する日」と伝えてください。STEP 1-4 は"将来こうやって育てられる"という地図を渡すだけで十分。2日目のGASデモがSTEP3にあたることを一言添えると接続がスムーズ。
Section 1 / 講義 13:30 - 14:35 / 65分

AI進化の"今" と Claude 入門
— チャット型との違い・Gemini との使い分け・デスクトップ版

🎯 このセクションのゴール

まず生成 AI がこの数年でどう進化してきたか・これまでの「チャット型」AIと何が違うのかを理解する。そのうえでもう一つの主要 AI「Claude」を無料版で使えるようになり、Gemini との使い分けをつかむ。

1-1. AIエージェントの現在 — AIの進化とこれまでのAIサービスとの違い(20分)

Claude や Gemini の話に入る前に、ここ数年で生成 AI がどう変わってきたかを整理します。「AI=チャットで質問に答えてくれるもの」という理解は、実はもう半分古くなっています。

AI進化の3フェーズ
〜2021
従来型AI
ルールに従って判断するだけ

あらかじめ決めたルールで動く。迷惑メール判定・顔認識など。人間のように会話したり文章を作ったりはできない。

2022〜2023
生成AI・チャット型
聞けば答えてくれる時代(ChatGPT・Gemini・Claude)

大量のテキストを学習し、人間のような文章・要約・翻訳・コードを生成。ただし基本は「1回の質問 → 1回の回答」で、次に何をするかは常に人間が指示する。

2024〜
AIエージェント
指示すれば自分で最後までやり遂げる時代

ゴールだけ伝えると、AI が自分で手順を考え、複数のツール(検索・ファイル操作・コード実行・ブラウザ操作等)を横断しながら、複数ステップの作業を人の手を借りずに完了させる。今日学ぶ Claude も、この流れの中にある最新世代の AI。

これまでの「チャット型」AIサービスとの違い
これまでのチャット型AI
  • 1つの質問に1つの回答を返すだけ
  • 次に何をするかは毎回、人が指示する
  • 基本はテキストの中だけで完結(会話のみ)
  • 複数の作業をまたぐ処理は人がつなぎ合わせる必要がある
AIエージェント
  • ゴールを伝えれば、途中の手順は自分で組み立てる
  • 検索・ファイル操作・コード実行など複数の「道具」を自分で使い分ける
  • 1つの指示から複数ステップの作業を連続してやり遂げる
  • 実行結果を見ながら、次に何をするかを自分で判断し続ける
具体的に何が進化したのか
長く読める・覚えていられる

一度に扱えるテキスト量(コンテキストウィンドウ)が大幅に拡大し、長い資料や過去のやり取りを踏まえて応答できる

文字だけじゃない

画像・音声・動画も理解できるマルチモーダル化が進み、「見て・聞いて」判断できるようになった

道具を自分で選んで使う

検索・計算・コード実行などの「ツール呼び出し」を AI 自身が判断して行えるようになった

じっくり考えてから答える

即答するだけでなく、内部で段階的に考えを整理してから答える「推論モデル」が登場し、複雑な問題にも対応できる

今日の位置づけ:まだ多くの現場では「チャットで聞く」使い方が中心です。だからこそ今日、AI エージェントの入り口である Claude の使い方に慣れておくことに大きな価値があります。ここからは、その Claude を実際に使ってみましょう。

1-2. Claude のアカウントを作る&デスクトップ版をセットアップする(15分)

Claude(クロード)は Anthropic 社の AI アシスタント。じっくり考える・長い文章・コード生成が特に得意で、今日のアプリ作りの相棒になります。まずはアカウントを作り、パソコンにもインストールしておきましょう。

A. アカウント作成(会社の Google アカウント=GWS で連動)
1
ブラウザで claude.ai を開く

Chrome や Edge のアドレスバーに claude.ai と入力。

2
「Continue with Google」を選ぶ

メール/パスワードでの新規登録ではなく、会社の Google アカウント(GWS)で連動させるのが簡単で安全。新しいパスワードを覚える必要がない。

3
アカウントを選んでログイン

普段 Gmail や Docs で使っている会社のアカウントを選択。利用規約への同意を求められたら確認して進む。

4
簡単なアンケートが出たら回答(スキップ可)

利用目的などを聞かれることがあるが、答えなくても進められる。無料プランのままでOK。クレジットカード登録は不要。

B. デスクトップ版のインストール
1
デスクトップアプリをダウンロード

claude.ai にログイン後、画面のメニューから「Download desktop app(デスクトップアプリをダウンロード)」を選ぶ。お使いの OS(Windows/Mac)用のインストーラーが入手できる。

2
インストーラーを実行する

ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、画面の案内に従って進める(「次へ」を押していくだけでOK)。

3
先ほどのアカウントでログイン

起動したら「Continue with Google」で先ほど作った同じアカウントを選択。ブラウザ版と同じ会話履歴が引き継がれる。

C. 初期設定・動作確認
1
表示・通知設定を確認

ダーク/ライトモードなどの見た目はお好みで。通知が気になる場合はオフにできる(設定はアプリ内の歯車アイコンから)。

2
試しに話しかけて動作確認

「こんにちは、自己紹介して」と入力し、返事が返ってくることを確認できたらセットアップ完了。

デスクトップ版のメリット:ブラウザを開かずワンクリックで起動、常駐して呼び出しやすい、画面のスクリーンショットを渡して相談しやすい。無料版でできること:文章作成・要約・翻訳、資料の"たたき台"づくり、壁打ち相談、そして今日やるコード生成まで、無料でも十分に実務で使えます。
アカウント作成・インストールは環境によって時間がかかる人(社内ネットワークの制限、初回ダウンロードの遅さ等)が出やすい工程です。全員が完了するまで待たず、詰まった人には個別対応しつつ先に進める人は次のセクションに進んでもらってOK。デスクトップ版のインストールが間に合わない場合は、後半のハンズオンもブラウザ版で問題なく進められます。

1-3. Claude を使ってみる(10分)

アカウントとデスクトップ版の準備ができたら、実際にチャットしてみましょう。使い方は Gemini とほとんど同じです。

1
チャット欄に話しかける

日本語で質問・依頼を打つだけ。ブラウザ版・デスクトップ版どちらからでもOK(会話は共有される)。

2
返信を読んで、続けて聞いてみる

一度で完璧な答えが出なくても、「もっと短く」「別の案も」のように続けて対話しながら仕上げていく。

3
新しい会話を始めてみる

左側の「+ New chat」で話題ごとに会話を分けられる。今日のアプリ作りも新しい会話で始める。

試してみよう:「今日の企業研修について、初心者向けに一言で説明して」のように、身近なお題で反応を見てみましょう。

1-4. Gemini との違い・使い分け(10分)

どちらが上ということではなく、得意分野が違うので使い分けます。

観点 Gemini(Google) Claude(Anthropic)
得意なこと GWS連携・検索・その場の要約 長文・論理的思考・コード生成
GWSとの連携 ★標準搭載(Gmail/Docs/Sheets内) コピペ/ファイル添付で連携
今日の使い方 日常のGoogle業務でサッと アプリのコードを書かせる相棒
覚え方:Gemini=いつもの Google の中でサッと。Claude=じっくり考える・しっかり作る(先ほどセットアップしたデスクトップ版なら、ブラウザを開かずすぐ呼び出せます)。

1-5. AIエージェントの概要 — "使うAI"から"働くAI"へ(10分)

先ほど見た「AIエージェント」を、もう少し実務目線で整理します。これから広がるのが AIエージェント = 指示すると自分で手順を考えて、複数の作業を続けて実行してくれるAI です。

1
指示は"ゴール"

「◯◯して」と目的を伝えるだけ

2
手順は自分で

必要な作業を分解して順に実行

3
道具も使う

ドライブ・Web・アプリを横断

例:「ドライブのこの資料を読んで、要点を整理して、お客様向けの説明資料のたたき台まで作って」——これを一気にやってくれるイメージ。今日作る"アプリ"も、将来はエージェントが下書きを作ってくれる時代になります。

今日のスタンス:エージェントは強力ですが、まだ発展途上。今日は「まず自分で Claude に指示して動くものを作る」体験を通じて、"AI に仕事を任せる感覚"の土台を作ります。今から慣れておくと、エージェント時代にすぐ乗れます。
エージェントは概念紹介にとどめ、深入りしない(次のクール/第2期の領域)。「指示=ゴール、手順はAIが考える」という違いが伝わればOK。可能なら講師が実際のエージェント的な動きを1つデモすると印象に残る。
☕ 休憩 10分(14:35 - 14:45)
Section 2 / 講義 + 設計 14:45 - 15:15 / 30分

AI で処理するもの/アプリに任せるもの
— "曖昧さが許されるか" で見分ける

🎯 このセクションのゴール

「AI が直接やる仕事」と「AI に作らせたアプリがやる仕事」の違いを理解し、なぜ今日"アプリ"を作るのかを腹落ちさせてから制作に入る。

2-1. 「AIで処理」と「AIが作ったアプリで処理」は別物(10分)

同じ "AI活用" でも、AI に毎回その場で処理させるのと、AI に一度アプリ(プログラム)を作らせて、以後はそのアプリで処理するのは、まったく性質が違います。分かれ目は 「曖昧さが許されるかどうか」です。

AI で直接処理する(曖昧さが許される)
  • 要約・下書き・翻訳・アイデア出し
  • 手書き・写真などフォーマットが毎回バラバラ
  • 毎回まったく同じ答えでなくてよい
  • 最後は人が読んで判断する前提
AIが作ったアプリで処理する(曖昧さNG)
  • 重量計算・金額計算・数量の集計
  • 入力ルールが決まっている
  • 毎回まったく同じ答えが出ないと困る
  • 大量・繰り返しでも正確であってほしい
大事:AI は内容を"確率的に推測"して答えるため、まれに計算を間違えたり、それらしい嘘(ハルシネーション)を返すことがあります。だから「毎回同じ正確な答え」が要る計算は、AI に直接やらせず、AI に"計算するアプリ"を作らせて、そのアプリに任せる。これが今日アプリを作る理由です。
合言葉:考える・下書きするは AI。正確に繰り返すはアプリ。

2-2. ミニクイズ:これは「AI」?「アプリ」?(5分)

Q. 「材質と寸法から製品の重量を毎回きっちり計算する」——向いているのは?
A. AI にその都度チャットで計算してもらう
B. AI に計算アプリを作らせ、以後はそのアプリで計算する
Q. 「お客様への提案メールの文面を、状況に合わせて考える」——向いているのは?
A. AI にその都度書いてもらい、人が確認して送る
B. 決まった文面を出すアプリを作る
受講者に手を挙げてもらうと盛り上がる。「計算=アプリ、文章=AI」という直感が持てれば十分。この後のハンズオンが"計算アプリを作る"理由に直結する。

2-3. 今日作るもの — 材料計算チェッカー(10分)

石垣商店様の銅・真鍮加工業務に特化した計算ツールを、Claude に作らせます。「計算は正確に」だから、まさにアプリ向きのお題です。

アプリは4つの要素でできている(覚えなくてOK)
H
HTML

骨格・構造
「柱と壁」= 入力欄・ボタン

C
CSS

デザイン・見た目
「壁紙と塗装」= 色・配置

J
JavaScript

動き・計算
「電気・設備」= 重量の計算式

DB
データベース

記録・保管
「倉庫」= 計算履歴の保存先

今日のアプリとDB:今日作る材料計算チェッカーは、ブラウザの中だけで計算して結果を表示する簡単な作りなので、専用のDBは使いません(履歴もその場だけ)。もし「計算結果をずっと残したい・複数人で共有したい」場合は、2日目に学んだ「スプレッドシートをDBとして使う」やり方で保存先を追加できます。
完成イメージ
  • ✅ 製品名を入力できる
  • ✅ 材質(銅 / 真鍮)をドロップダウンで選択できる
  • ✅ 直径(mm) と長さ(mm) を入力できる
  • ✅ 「計算」ボタンを押すと概算重量(g) が表示される
  • ✅ 見やすいデザイン(石垣商店のブランドカラー)
計算式(JavaScript で実装 = アプリが正確に処理する部分)
重量(g) = π × (直径/2)² × 長さ × 密度 / 1000
銅の密度:8.96 g/cm³
真鍮の密度:8.5 g/cm³(8.4〜8.7 の中央値)
「今日はまず全員で材料計算チェッカーを作る」と明示。早く終わった人は Section 3 で自分のアイデアに挑戦、と伝えると動機づけになる。宿題の"あったらいいなツール"を持っている人は後半で使えると案内。
Section 3 / メインハンズオン 15:15 - 17:05 / 110分(休憩含む)

材料計算チェッカーを
Claude と一緒に作る

🎯 ゴール

Claude に段階的にコードを書かせ、ブラウザで動く「材料計算チェッカー」を全員が完成させる。AI に頼むコツ(段階的に頼む/エラーはそのまま貼る)を体で覚える。

はじめに:AI にコードを書かせる4つのコツ

1
完成イメージを言葉にする

「誰が・何を・どう操作すると・何が起きるか」を具体的に。「なんかいいツール」は NG。

2
段階的に作らせる

一度に全部頼まず「まず HTML の骨格だけ」→「次に CSS」→「次に計算」と分けて依頼する。

3
エラーはそのまま貼り付ける

ブラウザのエラー文をコピーして「このエラーが出ました。直してください」と貼るだけ。

4
コードは html ファイルに保存して開く

メモ帳等に貼り付けて「○○.html」で保存。ダブルクリックでブラウザが開く。

「コードを読める必要はない」と明言。目的は「AI を使って動くものを作る体験」。コードの意味を全部説明しようとしないこと。

STEP 1: HTML の骨格を作る(15:15-15:30)

まず Claude に「骨格だけ」を頼みます。以下のプロンプトをコピーして Claude に貼り付けてください。

STEP 1 プロンプト
あなたは Web 開発の専門家です。 銅・真鍮加工メーカー「石垣商店」向けの材料計算チェッカーを作ります。 まず HTML の骨格だけを作ってください。CSS や JavaScript は後で追加します。 【入力フォームに必要な項目】 - 製品名(テキスト入力) - 材質(銅 / 真鍮 のドロップダウン選択) - 直径(mm、数値入力) - 長さ(mm、数値入力) - 「計算する」ボタン 【出力エリア】 - 計算結果(重量 g)を表示するエリア HTML のみで、style タグ・script タグは不要です。 コードブロックで出力してください。
1
Claude からコードが返ってきたら

コードをすべて選択してコピーする(コードブロック右上のコピーボタンが便利)

2
メモ帳(またはテキストエディタ)に貼り付ける

Windows:スタートメニュー → メモ帳 Mac:テキストエディット

3
「calculator.html」という名前で保存する

ファイル → 名前を付けて保存 → ファイル名に「calculator.html」と入力

4
ブラウザで開いて確認

保存したファイルをダブルクリック → Chrome や Edge で開く

メモ帳で保存するとき「すべてのファイル」を選択して .html 拡張子にする必要があります。.txt になってしまうと動きません。トラブルが多い箇所なので全員の手順を確認してください。

STEP 2: CSS でデザインを整える(15:30-15:45)

骨格ができたら、見た目を整えましょう。

STEP 2 プロンプト
先ほどの HTML に CSS を追加してください。 【デザイン要件】 - ページの背景:落ち着いたグレーまたはオフホワイト - メインカラー:ブロンズ・銅色(#b87333 付近) - フォント:見やすいサンセリフ体 - 入力フォームはカード状に中央配置(最大幅 500px) - 「計算する」ボタンは大きく、クリックしやすく - 計算結果の数値は大きく目立つように表示 - スマートフォンでも見やすいレスポンシブデザイン CSS を <style> タグに含め、完全な HTML ファイルとして出力してください。
ヒント:気に入らないデザインは「ボタンの色を青にしてください」「フォームをもっと大きくしてください」など追加で頼めば変えてもらえます。
☕ 休憩 10分(15:45 - 15:55)

STEP 3: 重量計算ロジックを追加する(15:55-16:25)

JavaScript で実際に計算できるようにします。ここが「アプリに正確に処理させる」中心部分です。

STEP 3 プロンプト
先ほどの HTML + CSS に JavaScript の計算機能を追加してください。 【計算仕様】 材質ごとの密度: - 銅(Cu):8.96 g/cm³ - 真鍮(Brass):8.5 g/cm³ 計算式: 重量(g) = π × (直径mm / 2)² × 長さmm × 密度 / 1000 【機能要件】 1. 「計算する」ボタンを押すと計算を実行する 2. 重量を小数点以下2桁で表示する(例:125.34 g) 3. 入力値が空または0以下の場合はエラーメッセージを表示する 4. 製品名も結果エリアに表示する(例:「製品名:フランジ A の重量:125.34 g」) 5. 複数回計算した場合は履歴を5件まで表示する 完全な HTML ファイル(HTML + CSS + JS すべて込み)として出力してください。
EXERCISE — 動作確認 & 検算

完成したアプリをテストし、手計算と一致するか確かめよう

  1. ファイルを保存してブラウザを更新(F5)
  2. 製品名:「フランジA」、材質:銅、直径:30mm、長さ:50mm を入力
  3. 「計算する」ボタンを押して結果を確認
  4. 正解:π × 15² × 50 × 8.96 / 1000 ≈ 316.7 g
  5. 検算のクセ:電卓や既知の値と突き合わせ、アプリの答えが正しいことを最初に必ず確認する
⏱ 5分で確認
なぜ検算?:アプリの計算式が正しければ、以後は"毎回同じ正確な答え"を出してくれます(ここがアプリの強み)。ただし最初の1回は「式が正しく組めているか」を人が検算して確定させましょう。

STEP 4: エラーが出たときの対処法(16:25-16:35)

エラーが出ても慌てないでください。AI がすぐ直してくれます。

よくあるエラー
  • ・ボタンを押しても何も起きない
  • ・NaN(非数)が表示される
  • ・文字化けする
  • ・レイアウトが崩れる
対処法
  • ① F12 キー → Console タブを開く
  • ② 赤いエラー文をコピー
  • ③ Claude に貼り付けて修正依頼
  • ④ 直ったコードで上書き保存
エラー修正プロンプト
以下のエラーが出ています。修正してください。 【エラーメッセージ】 (ここにエラーをそのまま貼り付ける) 【現在のコード】 (ここに現在の HTML ファイルの内容を貼り付ける) エラーを修正した完全なコードを出力してください。
「エラーメッセージをそのまま貼るだけ」というシンプルさを強調してください。受講者がエラーに怖じ気づかず AI を活用する習慣を作ることが重要です。実際にエラーを意図的に出して実演してみると効果的です。

STEP 5: 自分用にカスタマイズする(16:35-16:55)

基本が完成したら、石垣商店の業務に合わせてカスタマイズしましょう。

カスタマイズ プロンプト例
以下の追加機能を実装してください。 【追加したい機能(当てはまるものを選んで使ってください)】 - 材質に「洋白(ニッケルシルバー、密度8.7 g/cm³)」を追加 - 計算結果をキログラム(kg)でも表示する - 「リセット」ボタンを追加して入力欄と結果をクリアできるようにする - 印刷ボタンを追加して計算結果を印刷できるようにする - 計算履歴をダウンロードできるようにする(CSV 形式) - 会社名「石垣商店」のロゴテキストをヘッダーに追加する
選択肢B:基本ができた人は、宿題の"あったらいいなツール"作りに進んでOK(下のテンプレートを使用)。

(発展)自分のアイデアで新しいツールを作り始める

Day 2 の宿題で考えたアイデアを形にしてみましょう。以下のテンプレートを使ってください。

新規アプリ作成テンプレート
あなたは Web 開発の専門家です。 銅・真鍮加工メーカー「石垣商店」向けの業務ツールを作ります。 【ツール名】 (例:簡易見積もりフォーム) 【目的・背景】 (例:営業担当が電話口でお客様に概算の見積もりを伝えるため) 【入力項目】 (例:材質、形状、寸法、数量) 【出力・計算結果】 (例:概算の材料費と工賃の合計) 【その他の要件】 (例:スマホで使えること、印刷できること) まず HTML の骨格から始めてください。
各自のペースで進めてもらう。詰まっている人を優先サポート、早い人には「次に何ができたら業務が楽になるか」を考えさせて自由に機能追加。残り数分でアプリのスクリーンショットを撮るよう促す。

STEP 6: 完成したアプリを公開する(Cloudflare Pages)(16:55-17:05)

今、手元のファイルを開いているだけの状態です。URLで誰でも見られる状態にして初めて「公開」したことになります。ここでは Claude で作っても Gemini で作っても同じ手順で公開できる方法を使います。

Cloudflare Pages とは

ファイルをアップロードするだけで、公開URLが発行される無料サービス。無料アカウント登録(メールアドレスでOK)をすれば、何度でも同じURLのまま更新できます。帯域無制限・月500回まで公開できるため、今日程度の利用では上限を気にする必要はありません。

1
dash.cloudflare.com で無料アカウントを作る(初回のみ)

メールアドレスで登録。すでに Cloudflare アカウントがある人はログインするだけでOK。

2
「Workers & Pages」→「作成」→「Pages」→「アップロード」を選ぶ

プロジェクト名を入力する(これが公開URLの一部になる。例:ishigaki-calculator)。

3
保存したファイルを枠にドラッグ&ドロップ

calculator.html を1つドロップするだけ。複数ファイルに分かれている場合は、フォルダごとドラッグすれば OK(CSS/JSを別ファイルにした場合や、複数ページ構成でも、フォルダ内の相対リンクを保ったまま公開できる)。

4
「Deploy site」を押すと数秒で公開URLが発行される

https://プロジェクト名.pages.dev のURLが表示される。クリックして実際に動くか確認。

5
URLをコピーしてスマホでも開いてみる

パソコン以外でも動くことを確認できたら公開完了。QRコードにして共有すると発表がスムーズ。

知っておきたい注意点:
  • 初回だけアカウント登録が必要(環境によっては数分かかることがある。全員完了を待たず、詰まった人は個別サポート)
  • 「直しては公開」を繰り返すと月500回の上限を消費します。制作中はファイルをブラウザで開き直すだけで確認し、完成してから最後に1回だけ公開するのがコツ
  • 今日の公開は「体験・共有用」。本番の業務で継続利用する場合は、会社の管理者・IT担当と相談してから運用ルールを決めること
なぜ Claude や Gemini の「公開」機能を使わないのか:
  • Claude のアーティファクト公開は Claude で作ったものだけが対象。今日のように無料版の利用制限に達して Gemini に作業を引き継いだ場合、Gemini で作ったコードは Claude 側で公開できません。
  • Gemini 側にも Canvas(キャンバス)でアプリをプレビュー・共有する機能がありますが、無料プランでの提供状況や操作画面が変わりやすく、毎回同じ手順で安定して使えるとは限りません。
  • AIごとに公開手順が違うと、受講者に「Claude のときはこう、Gemini のときはこう」と2通り教えることになり、当日の混乱要因になります。

Cloudflare Pages なら、どちらの AI で作っても・1ファイルでも複数ファイルでも同じ手順で公開できるため、AI を乗り換えても手順は1つだけで迷いません。

Cloudflare Pages だけで足りる範囲/GAS+SP連携が必要になる範囲

今日の材料計算チェッカーのように「入力 → その場で計算 → 画面に表示」だけなら Cloudflare Pages 単体で完結します(バックエンドもDBも不要)。一方、「入力したデータをスプレッドシートに保存・一覧・みんなで共有したい」となった瞬間、話が変わります。

  • Cloudflare Pages 上のフロント(HTML/JS)が、2日目に学んだ GAS を「Webアプリ」として公開したURLに対して通信し、GAS がスプレッドシート(DB)を読み書きする形になる
  • フロントとGASは別ドメインになるため、CORS(通信許可)対応が必要——これは今日のレベルを超え、第2期(上級)で扱う範囲
今日はNetlify Dropではなく Cloudflare Pages を使う(過去の開催でNetlify Dropの無料枠上限に達した実績あり。Cloudflare Pagesは帯域無制限・月500回までで大幅に余裕がある)。受講者が「保存 → アップロード」でつまずきやすいのは、複数ファイルになったときにファイル名や拡張子を間違えるケースと、初回のアカウント登録。AIに複数ファイルで出力させる場合は「ファイルごとにファイル名を明記して」と一言添えると事故が減る。「直すたびに公開」を避け「完成してから最後に1回だけ公開」を徹底するよう伝える。時間が押している場合、公開は宿題にしてもよい。「データを保存したい」という質問が出たら、上記のGAS連携ボックスを示しつつ「それは第2期の内容」と伝えて期待値を揃える。
Live Poll — ハンズオン後
アプリが完成しましたか?
QRコード
(講師設定)
参加者はスマホで
QR を読み取り投票
完成!計算も正しく動いた
ほぼ完成、一部動かない箇所がある
エラーが出て止まっている
まだ途中(発表までに仕上げる)
📋 講師:「エラーが出ている方、今すぐ一緒に解決します」と声をかけて個別サポートを優先してください
☕ 休憩 10分(17:05 - 17:15)
Section 4 / 発表 17:15 - 17:45 / 30分

完成したアプリを発表しよう
— 3日間の修了式

🎯 ゴール

完成したアプリを見せ合い、3日間の成長を全員で実感する。第2期(上級コース)への期待を高める。

PRESENTATION

画面共有 または 実演で発表(1人30秒)

  1. 作ったアプリ名と「誰のどんな業務に役立つか」を一言で紹介
  2. 実際に数値を入力して計算結果を見せる
  3. 「次に追加したい機能」を一言で
⏱ 13名 × 30秒 ≈ 約7分

3日間のまとめ

DAY 1

Gemini で日常業務を効率化

いつもの Google(Gmail/Docs/Sheets)の中で AI を使い、メール・文書・集計を楽にする。

DAY 2

SP × GAS で仕組みを作る

スプレッドシートを DB に、GAS で処理を自動化。買わずに自社で作って保守できる。

DAY 3

Claude で自分専用アプリ

曖昧さが許されない計算はアプリに任せる。AI にコードを書かせて、自分の道具を作れる。

COMPLETION MESSAGE

第1期 修了おめでとうございます 🎉

3日間で、AI の基礎から Gemini の実務活用、スプレッドシート×GAS の仕組みづくり、そして Claude で自分専用の Web アプリ制作まで駆け抜けました。

今日のアプリ作りで一番大事だったのは、実はコードの書き方ではありません。「自分の業務を、AI に伝わる言葉にする」ために、普段なんとなくやっていた仕事を、あらためて分解し・言葉にし・見つめ直したはずです。その業務理解の深まりこそが、これからの仕事への向き合い方を変えていく一番の力になります。

みなさんはもう「AI を使える人」です。
ここから先は、日常業務の中で少しずつ試して、自分の「使い方」を磨いていってください。

第2期(上級コース)のご案内

第1期を修了した方の中から、特に意欲的な方を対象に上級コースを開催します。

Day 1
AI 管理責任者の
役割 × GAS 入門
Day 2
Claude API ×
エージェント開発
Day 3
業務アプリ開発 ×
運用設計
対象:第1期修了者で「会社全体の AI 活用を引っ張りたい」「業務自動化を自分の手で実装したい」という意欲のある方
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📋 講師:結果を見せながら第2期の参加者を募集。「参加したい方は研修終了後に名前を教えてください」と案内してください

今日からできること — 次の一手

1
今日作ったアプリを職場で使ってみる

完璧でなくてよい。実際に使うことで「次に何が必要か」が見えてくる。

2
毎日 1 回 Claude または Gemini に何かを頼む

「メールの返信を書いて」「この数字を表にして」等、小さなことから継続する。

3
「AI でこれできないかな」を口癖にする

業務で面倒だと感じた瞬間に AI を試すクセをつける。それが習慣化の一歩。